『この翻訳はちょっと・・・』
私は翻訳家ですが、そのせいで気になるのかもしれないけど、この訳はちょっと・・・。内容はいいと思うので、原典を読みたくなってしまいました。なんていうか文体のせいで内容まで薄っぺらそうな印象を受けてしまい、読んでいくうちにくたびれてしまう。
まあ原典自体が平たく語りかける口調を使っているからなのかもしれませんが、日本語で感嘆符などをそのまま多用されると(「?なのだ!」みたいに)どうも辛い。訳者あとがきにも「おお」とか書いてるくらいだから、そういう口調を自然に感じてる人なのかもしれませんが・・・(苦笑)。さらに原典のトーンでもあるんでしょうが、わかりやすくするためか同じ内容・表現のくり返しがやたら多いし、読んでるうちにややうんざりしてきてしまって、内容に今一つ入り込みづらかったです。
まあこの類のものについてはすでに基礎知識を持った上で、実践に役立つ追加知識を得たいというところだったのですが、本書の実例は非常に広範囲に渡っているのでいろんな人に役立ちそうではあるものの、自分に直接適用できる例といえばそんなに多くもないかなという感じ・・・。ただ人生のいろんな場面における実例が挙がっているので、今後とも備えておいて悪くはない一冊だと思います。
また特に第1章と最終章の、理論的なところにも興味があったものの、その辺は他のもので読むのともほとんど違いはない感じなので・・・、自分にはほかの本でもよかったかなという印象です。