『猫の見るもの』ロウ紙のような渋みのある、それでいて寂寥な画面。添えられた文章には少しだけ、哲学を。 絵と文と哲学。本を構成するバランスが美しい作品です。 路地の奥に見えたり、垣根のそばに潜んでいたりして、稀に私たちの前を横切る猫たち。 彼らは何を考えているのだろうか? 私たちの背中を見て、何を思うのだろうか? それとも私たちの見えない先を、見ているのだろうか。 文庫版も出ていますが、在庫があるようでしたらぜひハードカバーをお勧めします。