『この世で本当に必要なのものは?』
欲に目がくらんで、少しでも多くの土地をと走り続け、そして息絶えた男パホーム。
でも、笑えません。自分自身の姿をそこに見るからです。
私たちは、自分に与えられたものや人生に感謝しないどころか、不満を覚えて、常により多くのものを別のものをと追い求め、いつまでたっても満たされることを知りません。
「人はこれだけの土地があればいいんだな…」
パホームの墓穴の前で召使がつぶやく言葉は不気味ではありますが、あまりにもそれが真実なので心の奥底までズシンと響きます。
小林豊さんの絵はどのページもやさしい色調で、まるで神様の愛のようです。