『ホビージャパン的アプローチの鉄道模型』
ホビージャパンが創刊した新しい鉄道模型雑誌。この創刊号が6月発売で、次号は10月ということなので4ヶ月サイクルで年3冊くらいのペースで刊行か。
創刊号を見る限り、内容はほぼNゲージで、ホビージャパンらしく徹底的に工作にこだわる。表紙に見られるように、Nゲージの新幹線N700系&500系に理想の色艶を求めて光沢系に全面塗替えやウェザリングを実施したり、185系の特定編成にこだわったスーパーディテール化工作など、いずれも既存の鉄道模型誌も真っ青になるような手際の良さと完成度の高さ。この185系などは3社の完成品の185系(マイクロエースの前面、トミックスの側板、カトーの天井と床下)を切り継いでベースとなるボディを作ってからディテールアップに入るという凝りよう。
レイアウトセクション(最近はジオラマとかビネットと呼んでいる向きもあるが)は機関車を飾れる程度の大きさのセクションで、線路のリアリティーを徹底して追及。車両もレイアウトもいずれも写真の撮影がうまいのはさすがホビージャパン。ただ、車両はモデルカー、レイアウトはミリタリーモデルのようで、それぞれ単体で動かない状態の写真では美しいが、鉄道模型はレイアウト上を走ってナンボ、そのあたりの観点の記事は少し少ない感じがした。次号以降は少しこのあたりも追求してもらえればと思う。Bトレも取り上げているが工作度は低く、おまけ程度に留まっているのは残念。
Nゲージが主体だが、スケールをNゲージに限定はしていないので、巻末にはHOのEF58のディテールアップ工作もある。次号以降ナローや他のスケールも出てくるかも知れない。
いずれにしても多数の雑誌が創刊しては消えていく中で、独自の路線での新しい鉄道模型雑誌の創刊には拍手。今後の号にも期待したい。