『むしろ“公式”でないほうが…』
出戻りでMTGを齧ってみようと購入した一冊。大した知識があるわけではないので自信を持って言えるわけではないが、「第10版のカード1枚1枚についてコストと能力、使い方を解説する」という内容自体は十分実用に耐えるものだとは思う。要は「第10版ってこんなカードがありますよ」というガイドブックだと思って買えば間違いない。
気になったのが文章のクセ。著者のカラーが出まくっている。あくまで「一出版社の私的ムック」ならこういうノリもありだと思うんだけど、位置付け的に「日本語版公式ハンドブック」であることを考えると、もうちょっと抑えて欲しい気がする。特に筆者が使えないと考えるカードに対して「ここがこうならよかったのに」とif主観を述べられたところで、読者は困るだけ。反面、コンセプトと逆行する豆知識的な記述が読んでいて面白いのも事実。
巻末の索引以外はフルカラーなので見た目の華やかさもセールスポイントと言えるが、青の呪文の章における表紙絵が「クウィリーオンのドライアド」という“緑の”クリーチャーになっているという凡ミスが見事にそれを相殺。