『真剣さが伝わってくる。』
自分は、小学校低学年から吃音でした。中学校の頃に一時的に治り、吃音のことを忘れていた時期もあったんですが、卒業式に名前を呼ばれた時の返事がうまく出来なかったことで、また吃ることが怖くなり、今もまだ軽度(?)の吃音です。気にしないようにすればいつか治るだろうと思って今まで生きてきたんですが、もしこのまま社会に出て言葉がうまく話せなかったら仕事に支障が出るかもしれないと不安になり、この本を見つけました。まだ一通り読んだだけで、文中で紹介されているトレーニングは始めていません。それでも、「吃音に苦しむ人を救いたい」という著者の真剣さがひしひしと伝わってきました。本の中で紹介されている吃音を改善するためのトレーニングは決して楽なものではないと思います(特に回数)。しかし、だからこそ信用できます。「?さえやれば誰でもすぐ治る!!」というようなうさんくさい内容を書いていないからこそ、本気でやってみようという気持ちにさせてくれます。
また、著者のもとに寄せられた吃音者からの体験談も読むことができます。皆、自分と全く同じような状況で言葉が出なくなり、同じように苦しんでいることを知り、驚きました。自分の他にも同じ悩みを持つ人がいるということを知っただけでも、少し気が楽になります。