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『私には合いませんでした』
1章?3章までが禁煙外来での経験や煙草の害などで、4章が準備編、5章が実践編という構成になっている。しかし、書いてある内容が非常に乱雑かつ羅列的で、論理を深める展開になっていないので、ダラダラしたエッセイを読んでいるようだ。しかも外来に来た患者を馬鹿にしてような記述が散見されて気分が悪い。「女性だから・・・」「日本の年配者は・・・」などの決めつけ、悪口、愚痴ともとれる箇所があり、相手の気持ちを汲んで禁煙を支援するのではなく、医者の考えを上から押し付けるようで、喫煙者を見下しているとしか思えない。しかも、毎度お馴染みの「肺がん」「肺気腫」などの「脅し」はてんこ盛りである。どこか「嫌煙運動家」の論理を読んでいるようだ。また「七日でやめる」プログラムはどこにも載っていない。一種の偽タイトル本である。それでいて、著者の有料の禁煙サイトだけはチャッカリ宣伝している・・・。

この医者は、本質的なところで喫煙者の心理を理解していないと思う。煙草の害を理解して、自分はもちろん家族や周りの人のためにも禁煙したいと思いながら、どうしても止められない人が、禁煙外来の扉を叩き、このような本を買うのである。「害があるから止めなさい」「どうして分からないんだ」式のことを読まされて止められるなら苦労しない。何度も禁煙に失敗した人には、『禁煙セラピー』か『リセット禁煙のすすめ』のほうが合うと思います。