『何度も胸の奥をギュッと掴まれました』
天外伺朗さんと衛藤信之さんという、ぼくにとってはとても贅沢な著者二人の共著で、メッセージ性の極めて高い本です。先日、たまたま衛藤さん(日本メンタルヘルス協会代表)の書いたメッセージを読む機会があって、「もう少しこの人の書いたものを読みたい」という自分の気持ちに素直に従ったところ、この本に出会いました。
一番響いたのは、「感謝して生きる」というインディアンからのメッセージ。
一文を引用すると、「人間は生まれてくるときに苦しくて大泣きするが、周りの人たちは新しい命を大喜びで迎える。正しい死に方とはその逆で、本人は満ち足りた心で死ぬが、周りの人はその人を惜しんで大泣きする」。
他にも、自然の一部として生まれた私たちについて、「あらゆるものがつながっている。私たちがこの命の織物を織ったのではない。私たちはその中の一本にしかすぎないのだ」という生命観もありました。
久し振りに、読みながら何度も胸の奥をギュッと掴まれた本でした。