『わりかし標準的な説明だと思われます。』
石油が上がって物価が上がったって、ほんと?部分的にはそうなのだが、メディアが煽るほどのことでもない。特に東京などでは消費に占める石油関連製品の割合が小さいので、影響は限定的である(ただし、青森の一部などでは相対的に影響は大きい)。そもそも、「物価」といったときには、経済学ではひとつの財ではなく、購入対象となる財・サービス全体の価格を扱う。石油の値段が上がった=物価が上がった、というのは間違いであるし、そもそもインフレというのは貨幣的な現象である。
という、最近話題になっているトピックをさらったあと、物価と賃金の関係(景気がよくなっても賃金が上がってないことがよく分かった)、物価と貨幣の関係など基本的なことをさらっていて分かりやすい。あと、世界のインフレ/デフレの歴史についての簡単な紹介が二章。ハイパーインフレの話は、どこで読んでも興味深い。日本は先進国で唯一のデフレ国だが、アフリカのチャドなんかもデフレなんだって。これは意外でした。