『自己啓発研究家の本』
作者が”自己啓発研究家”で、つまり成功者自身ではないので、いかにも総括的なことを言っているな、という印象を受ける。
そして丁寧に言葉を尽くそうとしているのは分かるのだが、おかげで回りくどく、抽象的な表現になってしまって、結果的に意味が分かりにくい、という事態に・・・
特に第二の賢者の言ってることなんか、全然腑に落ちない。まぁ、「理解できなくても、ひとまずは受け止めておく」という有り難い教授もまた、書かれているのだが。
111は他の自己啓発本を結構読んでいるので分かったのだが、これだけ読んだ人には?マークが頭に浮かぶ人も多いのでは?
それに内容も、例えば”愛”の事とか、”投資”に関しても、本当のお金のことは言っていない。これで全ての、人生の幸せについて語っているとはとても思えないのだが。
小説としてもファンタジーの体裁を取っているので何でもアリっぽいが、やはりそれはそれで、一定のルールがあるのではないだろうか。
舞台が中世から現代へと、とっ散らかっているような感じで、物語にのめり込めなかった。
小説+流行のファンタジーの形を取っていることからも、自己啓発初心者に読ませようとする意図は汲めるのだが、それだけに細かい部分にも気をつかって欲しかったところ。
だが、拙いながらも・・・ひょっとしたら拙いからかも知れないが、インスピレーションを受ける事が幾つもあった。結果的には自己啓発として、良書ということになるのだろうか。